水生生物観察

 


1.生物観察池とまわりの小さな池


  生物観察池です。この池には、メダカやオタマジャクシ・ミズスマシ・ザリガニなどもいて、子供たちが水の中に入って自由に観察したり、遊べるように工夫しました。その為、池の水深は子供たちのひざ下になるようにコントロールされていて直接水と親しむことが出来るのです。

 ところが問題があります。この池にメダカを何度も放流したのですが、すぐに居なくなります。上流の野鳥池に棲みついた外来魚のブラックバスやブルーギルなどが侵入して来て食べてしまうからです。野鳥池との境には水門があって、網が張ってあるんですが、大雨が降って水かさが増すと水門以外のところから乗り越えて来てしまうブラックバスがいるんですね。 
 

池の中で遊ぶ子供たち

 
 そんなわけで今は、やむを得ず野鳥池の上流西側及び南側に小さな池をつくり(下の写真)そこにメダカを入れてみました。しかし中々うまく行きません。今度はブラックバスの難は逃れることは出来ましたが、やはりメダカが居なくなりました。何とザリガニがメダカを食べてしまうようです。赤羽緑地を守る会の水生班の人達がいろいろの試みをして、何とかメダカを生かそうとしています。どじょうも他所から採ってきて来たりして少しずつ増やしているところです。
 さらに、これらの小さい池にホタルを再生させようと、ホタルやホタルの餌になるカワニナを貰って来たりしています。
そんなことで、すぐには出来ないかもしれませんが、ここをビオトープとして昆虫や小動物の生息復元をめざしているのです。

西側の小さな池

南側の小さな池

2.憩える水辺と貴重な水生生物

 それぞれの池のまわりは、春から秋にかけ、いろんな野の花が咲き、昆虫たちが遊んでいます。そしてまた、赤羽緑地の池には貴重な水生植物も見られます。

これ(左)は何んだか分かりますか? ミクリ(実栗)と言います。野鳥池にも観察池にも生えていますが、この植物は環境庁の絶滅危惧種に指定されている貴重な存在です。栗のイガのような形をしているところから付いた名前ですが、面白いのは白く大きいのが雌花でその先に小さく見えるのが雄花なんです。雌花は咲いており、雄花はこれから咲くところで、この後雌花が下の写真のような実になって行くのです。

観察池になっているミクリの実

 
 そしてこれ(下)がヒシ(菱)です。絶滅危惧種までにはなっていませんが、あまり見られない植物になりました。そのヒシがここでは見られます。水面に三角状の葉を広げ、葉の手前には浮き袋の役目をする葉柄がついています。
 写真では見られませんが、ヒシの実は水中で育ち、熟すると茎から離れて水中に浮きます。ヒシの実には2本の鋭いトゲがあります。(ヒメビシには4本)
   

ヒシ  (丸いのは浮き袋)

ヒシの花

 
群生しているヒシ  
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